天日干しした布団、ダニはまだ生きてる
天気のいい日に布団を干して、パンパン叩いて取り込む。ダニ対策の定番として続けている人は多いでしょう。ところが、この方法でダニはほとんど死にません。真夏の直射日光でも布団の表面は50℃に届くかどうかで、ダニは温度の低い裏側や内部へ移動して生き延びます。叩く行為はもっと分が悪く、死骸とフンを細かく砕いて表面に浮かせるので、アレルゲンとしてはむしろ吸い込みやすくなります。
では何なら効くのか。答えは温度の数字にあります。ダニが死ぬのは50℃で20〜30分、60℃ならほぼ即死。この条件を布団の内部まで作れる道具が家庭にはあります。手順として整理します。
手順① 熱で死滅条件を作る
布団の内部まで50℃以上にする方法は、実質2つです。
- コインランドリーの大型乾燥機 庫内は70〜80℃に達し、30〜40分でダニの死滅条件を大きく超えます。丸洗いできない布団でも「乾燥のみ」で使えます。料金は30分で数百円が相場です
- 布団乾燥機のダニ対策モード 各社のダニモードは50℃以上を一定時間保つ設計です。マットなし式は温風の当たる面が偏りやすいので、片面が終わったら裏返してもう一度。合計で半日仕事になりますが、家から出ずに済みます
手順② 死骸とフンを掃除機で回収する
熱を通した直後の布団には、死んだダニと、それまでに溜まったフンが残っています。アレルギーの原因物質はこちらなので、殺した後の回収までがダニ退治です。
やり方は普通の掃除機で足ります。布団用ノズルか使い古しのストッキングをかぶせたヘッドで、1平方メートルあたり20秒を目安にゆっくり吸います。表と裏、縫い目と端は特に丁寧に。週1回この掃除機がけだけでも、アレルゲンの量は目に見えて減らせます。
手順③ 増やさない環境で仕上げる
殺して回収しても、環境がそのままなら数か月で元に戻ります。ダニの繁殖条件は温度25℃前後、湿度60%以上、そしてエサ(フケ、アカ、髪の毛)。このうち家庭でコントロールしやすいのは湿度とエサです。
- シーツと枕カバーは週1回洗濯する(エサの供給を断つ)
- 起きたら布団をすぐ畳まず、30分ほど広げて湿気を逃がす
- 寝室の湿度が高い時期は、除湿機かエアコンの除湿で60%を切る時間を作る
- 敷きっぱなしをやめる。床と接した裏面は湿気がこもる定位置です
効果が薄いのに定番化している方法
熱と回収の2段構えと比べると、次の方法は補助止まりです。
- 天日干し 乾燥には有効。死滅条件には届かない
- 布団を叩く 逆効果。アレルゲンを砕いて吸いやすくする
- 掃除機だけ 生きたダニは繊維にしがみつくため吸いきれない。回収工程としては必須
- ダニ捕りシート 敷いた周辺の生体数は減らせるが、布団全体の死滅条件は作れない。乾燥機と併用する位置づけ
刺され跡が続くなら、相手が違うかもしれない
ここまでの手順で退治できるのは、布団の主役であるチリダニ(ヒョウヒダニ)です。チリダニは人を刺しません。もし刺され跡やかゆみが続くなら、相手はツメダニかイエダニの可能性があります。ツメダニはチリダニが大量発生した部屋に増え、イエダニはネズミや鳥の巣から侵入してきます。この2つは発生源(大量発生の元、動物の巣)を断たないと繰り返すため、布団単体の対策では追いつきません。侵入経路の特定から必要になったら、駆除業者に相談する段階です。
- 天日干しと布団叩きではダニは死なない。死滅条件は50℃で20〜30分
- コインランドリー乾燥機30〜40分、または布団乾燥機のダニモードで熱を通す
- 殺した後に掃除機でゆっくり吸って、死骸とフン(アレルゲン)を回収する
- シーツ週1洗濯と湿度60%未満の時間づくりで、増えない環境を保つ
コインランドリーの乾燥30分は数百円です。ダニアレルギーの通院や買い替えの出費と比べれば、月1回の数百円で寝床の環境を維持できるのは、掃除の中でもかなり割のいい投資です。
注意