掃除したのに、なんか臭う。犯人はどこ?
旅行から帰って玄関を開けた瞬間、部屋が下水くさい。荷物を置いて発生源をたどると、風呂場の排水口でした。出かけるときは何ともなかったのに、数日空けただけで臭い出す。あわててゴミ受けを洗っても、臭いは引きません。
洗っても消えないのは、汚れが原因ではないからです。
排水口の臭いの原因は3系統に分かれ、それぞれ対処がまったく違います。そしてコップ1杯の水を流すだけで、どの系統かをほぼ特定できます。掃除を頑張る前に、まず犯人を突き止めましょう。
原因は3系統しかない
- 封水切れ 排水管の途中には水が溜まる仕組み(排水トラップ)があり、この水(封水)が下水の臭いへのフタになっています。旅行などで水を流さない日が続くと封水が蒸発し、フタが消えて下水の臭いが上がってきます。冒頭の「旅行から帰ったら臭い」はほぼこれです
- ぬめり・ヘドロの汚れ フタは効いているが、それより手前(ゴミ受け・排水口の壁面・トラップの部品)に付いた雑菌のぬめりが臭うパターン。生ゴミのような酸っぱい臭いならこちら
- 部品の隙間・劣化 キッチンのシンク下で、排水ホースと床の管のつなぎ目の防臭ゴムがずれていたり、パッキンが劣化していたりして、配管の脇から臭いが漏れるパターン。シンク下の収納を開けたときに臭いが強いのが特徴です
5分でできる原因の特定手順
上から順に試してください。どこで臭いが変わるかが答えです。
- コップ1〜2杯の水を排水口にゆっくり流し、30分待つ。臭いが消えたら封水切れ。水を足すだけで解決です
- 水を流しても臭う場合、ゴミ受けとトラップの部品(外せる範囲)を外して単体で嗅ぐ。部品自体が臭えば汚れ。次の節の掃除へ
- 排水口の真上では臭わないのに部屋やシンク下が臭う場合、部品の隙間。シンク下の配管のつなぎ目を懐中電灯で確認してください
- 下水のような臭いが続くのに封水もあり掃除もした、という場合は排水管の奥。ここは自力の限界ラインです
よくある質問
汚れが原因だったときの落とし方
ゴミ受け・トラップ部品のぬめりは、外して食器用洗剤とブラシで洗うのが基本です。排水口の壁面など手が届かない部分は、塩素系の泡スプレー(カビキラー系)か発泡タイプのパイプ洗浄剤を使い、表示時間どおり置いてから流します。ぬめりは雑菌の膜なので、表面をなでるだけでは数日で復活します。ブラシで物理的にこそげるか、塩素系で殺菌するか、どちらかが必要です。
風呂場の排水口のヘドロ掃除は、排水溝のつまり・掃除の手順がそのまま使えます(つまり対策と臭い対策は、汚れの層では同じ作業になります)。
部品と配管の奥は、無理をしない領域
シンク下の防臭ゴムのずれは、押し込み直すだけで直ることが多く、劣化していてもホームセンターで数百円の部品交換で済みます。ここまでは自分の領域です。
一方、封水もある・掃除もした・部品も確認した、それでも下水臭が続くなら、原因は排水管の奥(勾配不良・通気の問題・配管の破損)にあります。ここは市販の道具では届かず、高圧洗浄や配管点検ができる業者の領域です。費用の目安は水回り業者の料金相場を参考にしてください。賃貸なら、配管そのものの不具合は大家・管理会社の負担になるのが一般的なので、自費で業者を呼ぶ前にまず管理会社へ連絡を。
遠回りになりがちな対処
- 芳香剤・消臭スプレーでごまかす 臭いの上に香りを重ねているだけで、原因はそのまま。封水切れなら水1杯で根本解決するのに、消臭剤を買い続けるのはもったいない使い方です
- 熱湯を流す 殺菌のつもりで沸騰したお湯を流すと、塩ビの排水管やトラップ部品が変形することがあります。使ってよいのは60℃程度まで。手持ちのパイプ洗浄剤の表示を見ると、たいてい「熱湯不可」と書かれています
- 臭くなってからだけパイプ洗浄剤を使う 洗浄剤は育ちきったヘドロの塊より、育ちかけの膜に効きます。臭ったときの応急対応と合わせて、月1回の定期投入に切り替えると、そもそも臭わなくなります
原因さえ特定できれば、排水口の臭いの大半はコップ1杯の水か数百円の掃除で終わります。特定せずに対処を重ねるのが、いちばん高くつく道です。