浴室清掃

またピンク色。こすっても戻るのはなぜ?

風呂場の床の隅や排水口まわり、シャンプーボトルの底。スポンジでこすればすぐ落ちるのに、数日たつとまた同じ場所がうっすらピンク色になっている。この繰り返し、原因はこすり方が足りないからでしょうか。

違います。あのピンク汚れの正体はロドトルラという赤色酵母で、カビではなく菌の仲間です。水分だけで増えられるうえ繁殖スピードが黒カビの数倍速く、そしてこすり洗いでは表面の色が落ちるだけで菌は残ります。残った菌が数日で元の数に戻る。これが「掃除しているのに戻る」の正体です。

逆に、ロドトルラには弱点もあります。黒カビと違って素材の奥に根を張らないので、表面の菌を消毒で殺せば、こすらなくても退治できます

進み具合で道具を変えると、手間が最小で済みます。症状別に見ていきます。

うっすらピンク色になり始めたら

消毒だけで足ります。消毒用エタノール(アルコールスプレー)をピンクの部分に吹きかけ、5分ほど置いてからシャワーで流す。ぬめりが気になるならペーパーで軽く拭き取ってから吹きます。ゴシゴシこする必要はありません。

ぬめりが厚く、広範囲に出ていたら

先に物理的にぬめりを減らしてから消毒します。スポンジで軽くなでて流したあと、エタノールか塩素系の泡スプレー(カビキラーなど)を全体に。塩素系を使えば色も菌も一度に処理できます。

ピンクの中に黒い点が混ざっていたら

ピンク汚れを放置した場所は、次の段階として黒カビが定着しやすくなります。黒い点はロドトルラではなく黒カビで、こちらは根を張るため消毒だけでは落ちません。塩素系カビ取り剤でのパック的な処理が必要です。手順はお風呂の天井のカビ取り浴室のカビ取りにまとめています。

注意
塩素系の製品と酸性の製品(クエン酸など)は絶対に併用しないでください。有毒ガスが発生します。使うときは換気扇を回し、ゴム手袋を着けて作業してください。

よくある質問

Qピンク汚れは体に害がありますか?
A
ロドトルラ自体の病原性は低く、健康な人がすぐ害を受けるものではありません。ただしピンク汚れが増える環境は黒カビにとっても好条件で、黒カビの胞子はアレルギーの原因になります。「害が出る前の警報」と考えて、見つけたら早めに処理するのが安全です。
Q50℃のお湯をかけると死ぬと聞きましたが本当ですか?
A
高温のお湯は菌の抑制に効果があります。ただし床や壁全体に50℃を数秒ずつ当て続けるのは現実には手間で、やけどのリスクもあります。ピンポイントの消毒はエタノールのほうが確実で扱いやすいです。

再発させない習慣

ロドトルラの繁殖条件は水分です。つまり、風呂上がりに水分を断つ習慣だけで再発の周期は大きく伸びます。

とくに効くのは最後のひと吹きです。ロドトルラは目に見えない段階から増え始めているので、見えてから殺すより、見えない段階で週1回リセットするほうが、結果として掃除の総量が減ります。

この記事のまとめ
  • ピンク汚れの正体はロドトルラ(赤色酵母)。カビではなく、こすっても菌は残る
  • 退治はエタノールか塩素系での消毒。軽度ならこすらず吹きかけて流すだけ
  • 黒い点が混ざり始めたら黒カビ。段階が違うのでカビ取り剤での処理へ
  • 再発防止は水気を断つ習慣と週1回の予防消毒。それでも黒カビまで進んだら浴室クリーニングの出番