掃除全般

襖を開けた瞬間の、あの匂い

久しぶりに押入れの襖を開けると、むっとした空気と一緒にあの匂いが来る。懐中電灯で奥の壁を照らすと、白いふわふわしたものが点々と出ている。

去年も、同じ場所に出た。拭いたのに。

押入れのカビが同じ場所に戻るのは、取り方が悪いからではありません。カビが増えるのに要る条件が、押入れの中に残ったままだからです。取る作業と、条件を崩す作業は別物で、片方だけやっても翌年また会うことになります。

いちばん冷たい場所から濡れる

同じ押入れでも、カビは均等には出ません。奥の壁の下のほう、床板と壁がぶつかる隅、すのこの裏側。決まった場所に集まります。

押入れの壁の向こうが外壁だったり、日の当たらない北面だったりすると、その面だけ温度が下がります。冷房を効かせている部屋ならなおさらです。湿った空気は冷たい面に触れると水に戻る。押入れの中でいちばん冷たい場所が、いちばん先に濡れます

懐中電灯を持って、まず次の4か所を見てください。手前だけ拭いて終わりにすると、翌週また匂いが戻ります。

夏の押入れで、温度と湿度と栄養がそろう

カビが増えるには温度と湿度と栄養が要ります。夏の押入れは、その3つが同時に上限へ寄ります。

3つのうち温度は季節に任せるしかなく、栄養も完全には消せません。こちらで動かせるのは湿度です。押入れのカビ対策が結局のところ湿気の話になるのは、そのためです。

木に塩素系は使わない。エタノールで取る

浴室のカビと同じつもりで塩素系漂白剤を持ち込むと、木が脱色して白く抜け、表面が毛羽立ちます。押入れの内壁も床板もすのこも木か木質ボードなので、使うのは消毒用エタノールです。

注意
エタノールは引火します。作業中は火の気をなくし、換気しながら使ってください。スプレーした直後に暖房やドライヤーを当てるのも避けます。

出したものにカビが移っていないか

押入れを掃除しても、しまってあった側にカビが残っていれば、戻した時点で持ち込むことになります。全部出したこの機会に、明るい場所で確認してください。

ヒント
布団を長くしまい込んでいた場合は、カビだけでなくダニも増えています。干し方と退治の手順は布団のダニ退治にまとめています。

押入れを乾いた状態に保つ

カビを拭き取っても、温度と湿度と栄養はそのまま残っています。翌年また同じ場所に出るかどうかは、このあと押入れをどう使うかで変わります。

クローゼットで気をつける点も、ほぼ重なります。扉が引き戸か開き戸かの違いはあっても、閉め切って空気が動かないことは変わりません。奥の壁と床の隅から見てください。

表面処理では戻らないとき

次のどれかに当てはまるなら、押入れの中だけを掃除しても解決しません。

このとき湿気の出どころは押入れの外にあります。壁の中の結露、床下からの湿気、雨漏り。押入れは結果が見えているだけの場所です。

自分でできるのは、いつどこに出たかを写真で残しておくところまでです。あとはハウスクリーニングの防カビ施工か、建物側の点検を頼むことになります。賃貸なら、自費で処置する前に管理会社へ連絡してください。建物の不具合が原因なら費用の負担先が変わります。

この記事のまとめ
  • 押入れの中でいちばん冷たい奥の壁と床の隅から濡れる。手前だけ拭いても戻る
  • 夏は温度・湿度・栄養がそろう。手を入れられるのは湿度だけ
  • 木に塩素系は使わない。乾いたまま触らず、エタノールを吹いてから拭き下ろす
  • 出した布団・段ボール・革製品にも移っている。戻す前に確認する
  • 黒い点、壁紙の浮き、数週間での再発、畳1枚ぶん超え。どれかならプロか建物側の点検へ